ポルシェに乗っていると一度は聞く話し。
「ロックを2回押しておけばバッテリーが長持ちする」
巷でいうところのダブルクリックロックというやつ。
SNSやユーチューブでも当たり前のように語られているが、これ本当にそうなのかと。

そのダブルクリックロックとは何なのか、まず前提としてこの機能、正式名称はそんな洒落たものではなく、ポルシェ公式によると
室内監視の無効化(Interior monitoring OFF)である。
ポルシェ公式のマニュアルを見るとこう書かれている。«ロックを2回押すと室内監視アラームがオフになる»
要するに
・1回 → 監視ON
・2回 → 監視OFF
それだけの話し。
ポルシェ公式が発する本来の目的は(これも公式にちゃんと書いてある。)
・車内に人や動物がいるとき
・揺れる環境(フェリーなど)
で誤作動を防ぐため。つまりセキュリティの制御機能であってバッテリーのための機能ではない
ではなぜバッテリーに効くと言われるのか・・・ここが混乱の原因。
ポルシェはロック中でも
・室内センサー
・傾斜センサー
・アラームユニット
がバッテリーを消費しながら作動している。これを止めるので消費電力は確かに減る
ここだけが切り取られた結果「バッテリーセーブになる」と広まっているのではないか。確かにそうだけど。間違っちゃいない。
では実際どれくらい変わるのか? 現実的な話しをすると
・通常ロック:20〜40mA
・2回ロック:10〜25mA
その差はせいぜい 5〜15mA程度
では1か月放置でどうなるか? 計算すると約7Ah前後の差。これだけ聞くと最大15mAの節約で効きそうに思うがポルシェのバッテリーは70〜90Ahクラス。つまり 約10%程度の差ということになる。一か月放置でもカタログ値では10%の損失程度の話ではある
がしかし、通常バッテリーは半分を切ると一気にその状況が変化し厳しくなるので使い込んで容量そのものが劣化している場合のパーセンテージは上がることになるので気休めではあるがしておいた法が良い。と言える。ここがネットの噂が正しいとされる部分だ。
ではここで現実の使い方を考える。ポルシェ、それも911カブリオレとなると
・週1も乗らない
・天気の良い日だけ
・ガレージ保管
こんな使い方をしている人が多いのではなかろうか。自分もそうだが走行距離は年間で見ても大したことがない。この条件だと
そもそも充電が足りていない
なので ダブルクリックでバッテリーセーブ以前の問題である。
現実的に2回押しをしても
・1週間程度 → 気休めにはなる
・2週間以上 → 怪しい
・1か月以上 → 普通に上がる。がZ4時代からその程度で完全死になることはない
結論。回避方法は充電器を使うか定期的に乗るしかない
ダブルクリックロックはバッテリー消費を少し減らす効果はあるが気休め程度に考えてそれだけでバッテリー上がりを防げるものではないと思うのがいいだろう。
この手の話しは「結果」と「目的」が混ざりやすい。ポルシェ公式の意図はあくまでセキュリティという事だ。
