ホワイトレターのタイヤってレーシーで良いものでよね。
ホワイトレターが予め設定されているアメ車やオフロードタイヤによくある製品はともかく、一般ロード用はホワイトレターの設定がほとんどなくて、

過去色々とタイヤのサイドウォールにホワイトレターをしてみたもののショーカーなどの停止状態では成立していても通常の走行使用では成立しないのがほとんどです。ゴムステッカーを強力接着剤で貼り付けるものもありますがステッカーの厚みが気に入らないので諦めていたのですが。2019年のだったかな、モーターサイクルショーでタイヤにも貼れるステッカーと言う紹介でブースを出されていたメーカーさんを発見。
試してみたのでその一部始終の紹介です。
結果的にはJAPAN-MINI-DAYに浜名湖まで行って帰ってきたらボロボロでした。

その寿命わずか1日

そもそもなのですが、このステッカーはタイヤ専用に開発されたわでではなく、凹凸の工場の床とか壁等の立体物に貼れると言うモノで、それも条件があり、印刷ステッカーはそのノリの特性上硬度が高く、直角に曲がる所などは折れてしまう等、条件があり、タイヤに貼るにはその条件を満たしていない事も明記しておきます。決してメーカー様の推薦条件下ではありません。
但しモーターサイクルショーでタイヤにも貼れると紹介されているのは、タイヤのフラットな箇所であり、走行時にも変形しにくい上記の条件を満たした所なら剥がれずに接着しているようです。(現に今回もリアタイヤは比較的原型を留めていた)
そのステッカーの印刷メーカーさんはこちら
-基材レスUV転写プリント-PRIFINOさん
PRIFINO

H2と言うタイヤにも貼れるステッカーを印刷販売されています。
印刷サイズの大きさはA3が最大。硬度の低いタイプの印刷物はそれ以上の大きさが可能な特殊印刷メーカーさんです。
さて、注文した後は


宣伝と保護段ボールと使用説明書が一体になったおしゃれな梱包で約1週間程度で届きます。曲がり防止の段ボールの裏面に取扱い説明書とは良く考えられていますね。。
¥10,000-+送料

ステッカーとなる印刷データは自由。予め各種デザインのステッカーが用意されている訳ではありません。あくまでも印刷屋さんです。なので
イラストレーター等のグラフィックソフトがあれば好きなデザインが可能、今回は単色の白のみでしたが、多色刷りも同価格でタイヤの黒部分にあたるベース色を黒で印刷する事も可能です。
もちろんイメージを伝えて作ってもらう事も可能と思います。(今回はデータを作成して入稿しました)

シートには反転となる透明のアプリケーションと言う表台紙があり、その表台紙から台紙を剥がす時はステッカー部が折れ曲がらないように注意して剥がします。そんなに神経質になる必要はありません。


まずは一応脱脂。(下で記述していますが、意味は薄いです)

アプリケーションが着いた状態で張り付け。新しく交換したTYPE-Dのタイヤは所狭しと凸文字があり、平らな箇所が無くて条件は全く満たしていないのは承知で貼り付けました。
定着を確認してアプリケーションを剥がします。

まぁ、わかっていましたがよもやと思い期待を込めて

ホワイトレターのデザインはやはり、TYPE-Dのメーカーヨコハマタイヤ、そしてADVANでしょう。
張り込んだ瞬間はカッコいいですよね。
これが・・・この後
さぁ、出発。浜名湖で開催されるJAPAN MINI DAY in浜名湖まで行ってステッカーがどこまで保持できているか検証です。
下道を通って鳥羽港迄140kmの距離を走った結果



既にポロポロで剥がれが始まっています。(泣)


リアタイヤはまだましで、フロントタイヤはエンジンの重みとタイヤが曲がるのでタイヤの変形が強いのでしょう、剥がれが多いです。比較的リアタイヤの『YOKOHAMA』文字は残っています。
と言う結果となりました。人柱ですね。
まだ、剥がれないようにする貼り方や印刷方法の改善余地は残っていますので、次はそれを試してみようと思います。

完全に剥がれた訳では無いので後少しホワイトレターを楽しみます
そもそもタイヤにはステッカーがなぜ貼れないのか。
それは基本的にタイヤのゴムの表面は微細な凹凸があるから。(凹凸なくすることももちろん可能。手間と製品の傷が見えやすくなるので採用していない)
ステッカーの貼り付く基本は接着剤というのもありますが、厳密にはサランラップと同じ分子間の引力で着く(詳しくはファンデルワールス力)性質で接着剤はそれを強固にするもの。なので、凹凸のものにはその引力が弱くなります。中にはその凹凸の深さを越える量で表面を平らにする接着剤を利用し、凹凸のものにも貼れるステッカーというのが存在はしていますが、それはもう『のり』ではなく上記に書いた『接着剤』
そして(これが重要)タイヤには老化防止剤が配合されていてそれが滲み出してくるので、いくら脱脂しても表面上は液体の膜がベールの様にあるのですね。液体は分子の方向が定まらないのでステッカーが着かないという事なんです。
コンクリの上に置いているとコンクリが黒くなったり(酸化防止剤だけではありませんが)、表面がなんとなくヌルッとしていますよね。アレが老化防止材の一部。

タイヤって化学の技術が詰まったとんでもない高水準技術製品なんですね
PRIFINOさんの接着剤は一見普通のようですが、そこが技術なんでしょうね。