奈良県無形民俗文化財に指定されている曽爾村の門僕神社(かどふさじんじゃ)秋の奉納である曽爾の獅子舞を見てきました。
「県民だより奈良」で紹介されていて興味持ったのですよ。
門僕神社のロケーションは榛原、宇陀郡から曽爾高原へと向かう県道81号線と並行して流れる正連寺川を挟んだ側道沿いに樹齢何百年はあろうかと思われる杉の大樹に守られた山の斜面に建てられた神社で県道からはその杉が社を覆い隠しているので一見森のよう。
曽爾の秋の奉納
村の関係者様が正装で神前にお供え物を運ぶ姿は昔からおこなわれている作法でしょうかご進物を厳かに儀式にのっとって奉納
神殿がある前横には十数メートルの小さな広場があり、その場所で奉納の獅子舞が披露されます
半径10メートル程度の決して広くはないスペースで観光客ももちろんいて大勢のカメラマンが回りを囲み、プログラムのタイムスケジュールや、観光客や村人に知らせるアナウンスなど奈良県無形民俗文化財を広める案内もされていますが、
てもそこはとても良い意味で観光客に見せると言うより村人のための村人による奉納奉りなんだなぁと感じさせられるのが印象的で、地元愛がとても感じられるお祭りでした。屋台等2店舗出ているのですが地元民のために出ている様でもあり、地元って良いねと思わせるとてもアットホームな獅子舞です。それでいて無形文化財
太鼓と笛
獅子舞の動きに見とれてしまいますが後ろで奏でる太鼓と笛の音色がとても心地よく、祭り囃子ずっと聞いていたくなるメロディでとても印象的でしたね。
演舞のプログラムも充実していて、朝8時から始まり12時に閉会の挨拶と乾杯で締め括られる4時間演目が立て続けにある長丁場の奉納際
演目も村の地区別に別れていて、間には地元小中学生の演目もあり地元民に根付いた演目で若い方がとても多いのも印象的。
確かに、この秋祭りを肴に村から出ていった人が又集まる機会でもあるようで、あちこちから「久しぶり~」と言う声が聞こえてほっこりした気分に。
御葉付きイチョウ
ちなみに門僕神社には葉っぱに銀杏の身がなる不思議な銀杏とされ御葉付きイチョウと呼ばれているイチョウが、あり、奉納際の当日はまるで葡萄の様に葉っぱに銀杏が群がっていました。
門僕神社のある曽爾村、そしてお隣の御杖村がある奈良県東側地域は珍しいイチョウの木があり、御杖村の春日神社にはイチョウの葉っぱがクルリとラッパ状になるこれも珍しいラッパイチョウがあります。
Z4とバシャ
曽根の獅子舞の保存
元々は伊勢国、伊勢大神楽を原点として伊勢の神に村の安寧と五穀豊穣を祈願して奉納するのが起源とされ、口伝えのみで伝えられてきた演舞。現在は曽爾村の今井、伊賀見、長野の三大字からなる地区の三奉舞会がその保存を後世に残すため奮闘中。
演舞は祭り当日神前儀式の後に披露される奉納なのですが、その前日は荒神祓いとして地域の人々に披露されています。本番と前夜祭があるみたいな感じかなぁ。
これも見てみたい!時間や場所は公開されていないようですが、練習着で披露するのかも
そんな地元に愛されていると思う獅子舞ですが、三奉舞会はこの伝統芸能を保存するには並々ならぬ努力をされているようで、少子高齢化に伴って演者の数が減少、昔は神聖なものとされる奉納は男だけが舞うことを許された獅子舞であったものも、現在は時代に合わせて女性の参加も可能になり、曽爾村から転出した住民も含めて獅子舞の継承に勤めているといいます。
確かに女性で、しかも若い(演目には小中学生の披露もあり)女性が演技をされているのが印象的で、こじんまりとしているのですがどこかアットホームで見ているより参加したくなる奉納際でした。